肝炎の治療

ウイルス性肝炎は症状が出ないことも少なくありません。そのため、感染に気づかなかったり、治療しないまま放置されることも多く、肝細胞の障害によって肝機能が低下したり、慢性肝炎を経て肝硬変や肝がんに進展することがありますが、早期発見と適切な治療により病気の進行を防ぐことができます。

肝炎治療の目的は「ウイルスの排除」と「肝炎の進展予防」にあり、主に薬物治療が行われます。

ウイルスの排除を目的として行われるのが抗ウイルス療法です。インターフェロンは免疫系に働きかけ、肝炎ウイルスの増殖を抑え、ウイルスを破壊する作用があります。B型肝炎で約30%、C型肝炎では約50~90%の患者さんに治療効果が期待できますが、強い副作用を伴うことも多いとされています。またB型肝炎に対しては、ウイルスのDNA合成を阻害することで増殖を抑制する効果のある核酸アナログ製剤療法があります。インターフェロンのような強い副作用はありませんが、治療を中止すると肝炎が再発・悪化することがあるため、長期間にわたって内服を続ける必要があります。C型肝炎では、ウイルスに対する排除効果を高める目的で、リハビリンという内服薬とインターフェロンを組み合わせて使う方法などもあります。

一方、抗ウイルス療法で効果がみられない場合には、肝細胞が壊れる速度を遅くすることで、慢性肝炎から肝硬変、肝がんへの進行を抑えたり遅らせるための肝庇護療法が行われます。

肝炎の治療